木洩れ日に泳ぐ魚
今日はちょっとした読書感想ブログ
土曜日曜と2日かけて久々に小説を読んだ
なんの本買うかとかで数ヶ月迷う自分だけど
選りすぐりの本はどれも面白いから良しとする
今回はタイトルにある通り
「木洩れ日に泳ぐ魚」by 恩田陸
を読んだ。
ネタバレはしないつもりだけど
不思議な話だった。
ミステリーだし恋愛ものだし家族ものだし。
でも物語に出てくるのは男1人と女1人。
舞台も基本的には部屋一室。
なんか小説読んだ後って
すっごい虚無感に襲われない?
自分が感情移入しやすいタイプってのもあるけど
なんだか、直前までその世界にいた人たちが
読み終わって本を閉じると
「あ、いないんだよな〜。終わったんか〜。」
って感じで。
この本はその虚無感がなんだか大きかった。
今日も授業中ふとしたときに
そっか、あの2人...
って無意識に考えてたし
ヒトカラ行ったんだけどその時も
あ〜この歌あの話にぴったりだな〜
って考えちゃってた。
あらすじはこんな感じ
舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿―共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編。
【「BOOK」データベースより】
もう少し細かく説明すると、
これはほかのあらすじに書いてるからネタバレにはならないと思うけど、
何について夜通し語り合うかっていうと、
1年前に死んだ男について。
男は女がこの男を殺したと疑って
女は男がこの男を殺したと疑ってて
2人がお互いを探り合う感じ。
でも話はここからスタートするけど
もっと別の場所に着地する。
もう一つ面白いなって思った点は
10章以上に分かれてるんだけど(全部で300ページ弱だから長くはない)、1章ずつ交互に語り手が変わるところ。
お互いの心の声とか、どう思ってるかが分かって楽しかった。
あと特徴的だなって思ったのは、回想シーンが多かったことかな。いや、これがないと話進まないんだけど。お互いがその1年前(或いはそれ以上まえの幼少期の頃)の記憶を思い出しながら男が死んだ謎を探り合う。
物語読み進めていくうちに要所要所で新しい謎・違和感が生まれていくから、こっちも引き込まれてった。
自分が1番大好きな叙述トリック系ではないし、
むしろ恋愛系を期待して読んだんだけど
どっちにも属してなくて良い意味で裏切られた。
ただこの小説、なにも解決されてない。気がする。
まあ、よかった。
滅多に思わないことだけど
読み直してもいいかなって思えてるくらいには。
それにしてもやっぱ自分は
タイトルに惹かれて買う傾向にあるな。