脳内日記

頭に浮かんだことダラダラ書いてくゆるーいやつ。特に中身はない脳みその日記みたいなもん。

愛がなんだ

 

映画観るときも小説買う時も服買う時も

何回も何回も店に足運んで何日も迷って

実際買ったり観たりするんだけど

たまーーーーに、衝動的に動くことがある。

これ本当に時間と金かける価値あるんかな...

とか色々考えて全然決断出来ない自分だけど

1万円超える服とかをポンって買ったりすることもある。

 

角田光代さんの「愛がなんだ」もその衝動買いパターンの1つ。200ページちょっとしかない小説。

なんで衝動買いしたかは分からないけど

多分タイトルに惹かれたんだと思う。

あとあらすじも。

自分にとってタイトルは凄い大事

まあ、映画・小説で1番大事にするのはオチだけど

買う時にオチがどうとかは分かんないから

タイトルとかで判断するしかないよね。

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愛がなんだ はそのタイトルからも分かる通り

恋愛小説。ただの恋愛小説って感じでもなかったけど。

ちなみに自分は基本的に叙述トリック系の小説、たまに恋愛小説って感じ。叙述トリック好きな辺りオチ大事にするのが現れてる。

 

ちなみに「愛がなんだ」のあらすじはこんな感じ

「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」ーーOLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも長電話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。ただ、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いはさらにエスカレートしていき......。直木賞作家が濃密な筆致で綴る〈全力疾走〉片思い小説!

 

裏表紙に書いてあるのを使わせてもらった。

ってのも、自分が買う前はタイトルとこのあらすじしか知らなかったから。

いつもならネットで評判とか見るけど(イニシエーションラブの評判調べた時にネタバレを見ちゃって最悪な思いしたから控えてはいる)何故か衝動買い。

 

正直この小説は、自分が1番大事にするオチとかの概念があまりなかったように思える。

けど、それでもこの小説には満足してるしなかなか心打たれた。合う人と合わない人はいるだろうけど。テルコの恋愛観が良いことではないって思いつつも幾分共感出来た自分がいたからだろうな〜。

 

この小説、ページ数が少ないからってのも理由の1つだと思うけど、登場人物が少なくてスッキリしてて読みやすかった。

主人公のテルコ: マモちゃんに片思いするOL

マモちゃん: 飲み会で偶然テルコと知り合った社会人。

葉子: テルコの唯一の?親友

ナカハラ君: 葉子に好意寄せてる。テルコとストーカー同盟組む。

すみれ: マモちゃんが好意寄せてる?パリピ女性

 

多分中心はこれくらい。

関係性もシンプルだけど、テルコの歪んでるのに真っ直ぐな愛情(おかしな表現)と、個人的にはストーカー同盟組んだナカハラ君が好き。

 

ストーカーって言ってるけど、テルコのしてることはストーカーとも一口には言い難い。

 

テルコは自分からマモちゃんに連絡もしない。

けど、来たらどんな予定あってもドタキャンして仕事も無断欠勤して、頼まれたことはなんでもする(余計なことまでしちゃう)、いわば都合のいい女。

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エンタの神様にこんなのいたね)

連絡来たらすぐに行けるように、わざとマモちゃんの職場付近で時間潰したりするガチ勢。

それを全くおかしいと思ってないテルコが好き。

「ストーカーが私のような女を指すのなら、世のなかは慈愛に満ちているんじゃないの」

このテルコの考えがなんだか好き。

 

ストーカー同盟を組んだナカハラ君にはもっとなにか共感めいたものがあって、その中でも好きなセリフが

「もうほんと、ほかにだれもいねえよってときに、呼び出してもらえるようでありたいっす」

 

晦日に好きな葉子さんに呼び出されて、葉子さんの家で料理の手伝いしてるのに、葉子は他の友達に呼び出されて当たり前のようにナカハラ君(とテルコ)を自分の家に置いて遊びに行く。なかなか葉子もクズだな。テルコも実際不満がってるけど、ナカハラ君はむしろ呼んでもらったってことにありがたみを感じてた。

 

ナカハラ君の考えによれば、部屋で1人夜飲んだりしてるときに、どうでもいい話を誰かに喋りたくなる時あるだろうけど、そういうときにいつでも呼び出してもらえるようなポジションにいたいらしい。誰もいないなー、あ、あいついるじゃん。みたいな。

これも都合のいいように扱われるパターンだけどそれをウェルカムしてるところになんだか惹かれるというか、芯の強さみたいなのを感じた。

 

まあ、この本はそんな人たちのお話。

1ミリでも興味湧いたら、安いし短いし、一読の価値は多分あると思われますね🧐

 

 

年を重ねるにつれて、人間関係って、友達とか恋人とか家族とか、そんな言葉では定義できないような関係性があるんだなって、思うようになりました。

そんな、11月最後の夜。